アルコール多飲 胃腸障害 慢性便秘 鼻炎 蓄膿症など
芥川龍之介の処女作『鼻』に、茶碗まで届いてしまう長い鼻を短くしようと、鼻を熱湯でゆでて踏んづけてもらうという乱暴なシーンがあります。小説では、これでいったんは鼻が短くなるのですが、さぞかし痛く、鼻は赤く腫(は)れあがったことでしょう。
医学用語では、ゆでたように赤くなっている鼻を「酒さ」といいます。文字通り、赤鼻は酒好きの代名詞、アルコール多飲の典型的症状のようにいわれてきました。実は、これは半分正しく、半分間違っているといえます。
というのは、アルコールが原因で酒さになるのは全体の半分くらいで、残りの半分は強い香辛料の多食や胃腸障害、慢性便秘などが原因だと考えられているからです。また、生理不順のような婦人科の疾患が原因となって現われることもあり、病院にやってくる患者さんには、案外中年女性が多いのです。
しかし、お酒は人並み以上に飲むし、鼻も赤いのでやはり肝臓が心配だという人がいたら、手のひらに手掌紅斑(しゅしょうこうはん)(手のひらの膨(ふく)らんだ部分が赤くなる)などがな
いか観察してみるといいでしょう。