脳卒中
年をとると、まず歯が悪くなるといわれます。次に目が遠くなり、やがて性的な能力が落ちてきます。成人病エイジの衰えは、この順序で忍び寄ってくるといわれています。度忘れ、もの忘れもそうした老化現象の一つでしょう。しかし、次のような小さなサインは見逃すことができません。
家族といっしょに夕食をとっていたら、つまんでいたつもりの食べ物が箸(はし)から落ちてしまう。あるいは、口の端から食べ物がこぼれるなどです。また、手足にしびれを感じて、持っていたボールペンが指の間からぬけてしまったり、歩いている途中にちょっとよろけたり、つまずいたりといったものです。
とくにどうということもなく、その場限りのことなので、すぐにこれといった支障をきたすわけではありません。
「どうしたの? お父さん」
「いや、なんでもない。ちょっとうっかりして……」
と、すんでしまう一時的なものです。
しかし、こうしたなんの変哲もない動作ミスや運動障害がたびたび起きるのは、脳卒中(脳梗塞(のうこうそく))の前ぶれであることが少なくありません。